成都から康定へ移動した私。客引きのオッサンに誘導されるまま泊ったのはホテルの薄暗いツインルームここに1泊目は一人で泊った。
そう、一泊目は。
婆さんがチェックインしてきた
到着した次の日は町をぶらつき、ケーブルカーで山にいったり。いよいよチベットっぽくなってきました。
翌朝の理塘行きのチケットを購入し、食事を済ませ、宿に戻る。
部屋についているTVをガチャガチャ変えながら、くつろいでいると、なんだか外で喋っている声が聞こえる。
すると
コンコンコン
なんなんだ?なんか怖いし無視無視。
コンコンコンコン
コンコンコンコンコンコンコンコン
『*‘~>&%””#$!**?|=~‘+???』
なんなんですか・・・寝ようとしているんですけど。
女性と男性の声がする。
女性もいるなら、と思ってドアをおそるおそる開けると、宿のオッサンと、横には大荷物のご高齢のお婆さん。
えっ
まさか・・
婆さんもどうやらこの部屋に泊まりたいらしい
まじかよ
と思いながら、夜遅くに、婆さんを閉めだすわけにも行かず、ルームシェアすることに。
顔を見ると、チベット系の顔をしている婆さん。
『ニホンジンデス。チュウゴクゴ ワカラナイ』
とカタコトの中国語で伝えるも、がんがん話しかけてくる。
よくわからないので、明日のバスチケットを見せる。
『明天、理塘』(明日、リタン)
というと、『明天、△*‘$%&=>+』
どうやら、婆さんもどこかへ行くらしい。
寝支度している婆さんの手や足をみると、しわしわで爪も分厚いし、皮も厚くなっている。
そしてボロボロなんだけど、やけに丈夫そうな靴を履いている。
田舎で収穫した野菜を町に出て売って歩いているのかなあ、とそのシワ一筋一筋の中のドラマを思いめぐらしながら眠りにつくのであった。。。
翌朝
『△*‘$%&=>+』
目覚ましより前に、婆さんにたたき起こされる。
眠い・・・
どうやら、起きて支度しろ、と言っているようだ。
うんうん、と眠気眼でうなずき、支度をする。
お婆さんもバスターミナルに行くらしい。
身支度の済んだ婆さんにせかされ、荷造りをし、宿を出発する。
バスターミナル近くに行くと、数々のタクシーの客引きが。
そんな客引きを一掃し、婆さんは突き進む。
(どこの世界もババアは強い)
空いたベンチにすかさず、婆さんと並んで座った。
どこに行くの?と問いかけたが、わからなかった。
しばらくすると、あなたはコッチ、私はアッチというふうに指を差し、よくわからないドライフルーツをくれて去って行った。
かっこいいぜ、婆さん。
甘くてしわしわに干されたドライフルーツをかじりながら、バスに乗り、婆さんの優しさを噛みしめた。
チベット旅行で使っていたガイドブックはこちら。情報も詳しいし、その他のコラムも面白いので、移動の待ち時間にもよく開いていました。